今年の3月の話ですが、和歌山の湯浅というところに1泊2日の旅行に行ってきました。

泊まったのはこちらの「湯浅城」。
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もとは国民宿舎だったようです。近くに野球場があって野球部の合宿にも使われていました。

湯浅は「醤油発祥の地」だそうで、昔ながらの醸造所や蔵があちこちにあります。その1つ、湯浅醤油有限会社の工場見学と醤油づくり体験に参加してきました。

主な工程はこちらのページにあるとおりですが、巨大な木の樽でもろみを発酵させている様子はワインやウイスキーを連想させるものでした。十分に発酵させたあとは布にしみこませ、上から圧力をかけて絞り出すようにして圧搾。醤油がこんなふうに作られているなんて知らなかったですねー。

そして工場見学の後はペットボトルを使った醤油づくり体験。醤油の原料は、大豆と小麦に種麹を合わせてできた麹、それに塩と水の3つで、これらを分量を量りながら500mlのペットボトルに入れて混ぜ合わせるという割と簡単な作業です。子どもでもできます。うちの3きょうだいもそれぞれ1つずつ作りました。

しかし混ぜてすぐ完成というわけではもちろんありません。半年以上かけて発酵、熟成させるため、家に持ち帰ってからお世話が必要です。

こちらが持ち帰ったばかりの醤油の赤ちゃん。
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振り返ってみるとフレッシュな感じがします。

お世話の仕方は非常に簡単で、ペットボトルのキャップを開けて側面を何度か押し、中の空気を入れ替えます。
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そしてキャップを閉めて優しく混ぜ合わせます。
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これだけ。

エサをあげる必要もなければお下の世話もいりません。これを最初の1週間は毎日、その後は徐々に頻度を減らし、3ヶ月目からは週に2回やります。

2~3週間たつと発酵が進んで層が分かれ、色が濃くなってきます。
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さらに発酵が進むとペットボトルの中に空気が充満し…
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底が膨らんでしまいました。すごい威力ですね。

立てかけておかないと自立しないようになってしまいました…
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やがて発酵のピークは過ぎ、熟成の期間に入っていきます。この頃になると、キャップを開けると味噌の香りが漂うようになります。そういえば工場見学の時に、味噌を作るときにできる上澄み液(たまり)が醤油の起源だという話を聞きました(諸説あるようです)。

今年の夏は本当にに暑くて、誰もいない昼間のキッチンは連日35度を超えていたのではないかと思いますが、水曜日と日曜日が来るたびに毎回子どもに「しょうゆのおせわー」と言いつづけ、特に異常をきたすこともなく夏を乗り切りました。

9月に入るとドロドロだった中身はサラサラになり、においも味噌から醤油に変わってきました。そろそろ完成ですね。
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工場の醤油は布にしみこませて圧搾しますが、ペットボトルの醤油はコーヒーフィルターを使って濾しとります。まずは長女が育てた醤油から。
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…まるでう○ちのようだと思ったあなた、ええそうです。その場にいるみんながそう思いました。でも匂いはいいですからね!

半日ほどかけて濾過し、醤油の収穫です!
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できた醤油にはそれぞれ育ての親の名前をつけることにしました。ここでは仮に「ゆるか醤油」としておきましょう。

ちなみに市販されている醤油は加熱殺菌して発酵をとめていますが、ペットボトル醤油はそのまま冷蔵保存しても使えます。

あまり入っていないように見えたけど、買ってきた小さめの醤油さしに入れたら満杯に。
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早速刺身で味見することにしました。
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上が市販の醤油、下の淡い色をしているのがゆるか醤油です。

2つの醤油をつけて食べ比べてみると、ゆるか醤油は塩気が控えめで優しい味わいです。はっきり言って美味しいです。やっぱりお世話する人に似るんですね~(親バカ)。

あとの2つも楽しみです(*´ω`*)